ちょうどよくて、ちょっといい日々。

主婦/母親の管轄って果てしなく広範囲ですよねぇ。。。「カエデノオト」の別館です。

割れたり、欠けたりした器に新しい命を吹き込む「金継ぎ」が好きです


◆私が金継ぎをはじめた理由

結婚後、まだこどもがいなかった頃、きっかけがあって夫婦で器にはまりました。
あちこち出かけて、たくさんの陶芸家さんと出会い、さまざまな器を買い求めていた時期がありました。

使える(片付けられる)器の数には限界がありまして…最近はあまり買っていません。

自然と好きな器、使いやすいと感じた器を使うことが多くなります。
そして、そう、使う機会が多い器ほど割れたり欠けたりするのです…。
欠けるのが嫌だと使わなければ本末転倒。しまっていては意味がない。
でも、欠けた器を使っているとなんだか悲しくなる…なんとかならんものか…


そうだ、金継ぎというのが確かあった。
探して、習いに行ってみよう!!!

こどもが少し大きくなって、気持ちにゆとりができた頃の、ある日のひらめきでした。

◆金継ぎは今、じわじわとブーム。情報収集しやすいのはインスタグラムかな?

7〜8年ほど前、ネットで検索を繰り返し、はじめは「1日でひととおり教えてあげる」という職人さんのところに行って教えてもらいました。

1日でだーっと教えてもらって、ひととおりの道具を揃えていただきました。
でも、1日ではやっぱり無理でした。概要が分かっただけで、自分で作業なんてとてもとても…。

再度検索して、通える距離に教室を見つけました。
そこに通うようになって、現在にいたります。

最近、金継ぎはじわじわとブーム。
習ってみたい、体験してみたい、継いでもらいたい、と思ったらインスタグラムのタグ検索がおすすめです。お仕事にされている方のアカウントもたくさんあるので、写真を見てピンときた方にお問い合わせされるといいですよ〜。

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たっくさん、出てきます。

◆「金継ぎ」の超基本知識

-金継ぎは「金で継ぐ」のではなくて、漆で継いでいる

金を使って割れを継いでいるのではなく、「漆」を使っています。
だから正確には「漆継ぎ」。
仕上げのコーティングが金だから「金継ぎ」で、これがよく知られているんです。

仕上げが金でないものもたくさんあります。銀で仕上げたり、漆で仕上げたり。

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順に、金、漆(黒)仕上げ。漆の黒は磨くとつやっ、としてきます。
この器にはどんな仕上げが合うかなーと考えるのも楽しみのひとつです。

個人的には金はちょこん、すーっ、みたいな(語彙力不足ですみません)小さな欠け、繊細な割れの部分に使うのが好きです。たくさん使うと派手になってしまいます。本物の金の輝きの迫力って、すごいです。

こちら、知る人ぞ知る工芸インスタグラマー/インフルエンサー河井菜摘さんのtwitterから。プロの世界をどうぞ〜

こんなこともできちゃいます。MILOロゴなんてもう、最高…!
すてきじゃないですか!?!?

因みに河井さん、金継ぎだけでなく、すてきなお弁当や使える日常のモノも数々紹介されています。写真もキレイで溜息ものなうえに優秀アイテムを知ることもできるのでぜひご覧になってくださいませ。

-「漆」はウルシの木の樹液で、さまざまに姿を変えて活躍する

金継ぎに使われる「漆」は、ウルシという木の樹液です。これを精製して使います。

漆は、接着剤やコーティング剤や塗料、絵の具、粘土…と、さまざまに姿を変えることができます。
そのときに漆とともに働くのは、木の粉とか土の粉とか、小麦粉とか寒梅粉とかごはんつぶとか、自然にあるものや食べられるもの・身近にあるもの。
自然由来、安心安全なんです。

漆の安全性は、「漆器」といううつわに長い歴史があることからもわかります。

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落としてバラバラになったこどものカップを直しました。幅の太い部分は欠けらを紛失してしまい、漆で埋めたところ。

-かぶれるおそれ

漆が肌に付くとかぶれます。

なので、手袋をして作業をします(プロフェッショナルは素手の方も多い)。

かぶれ具合には個人差があります。私は8年近く触っていますが、かぶれの経験はほとんどありません。が、ひどくかぶれた経験があって漆が怖くて触れない、という人に出会ったこともあります。
慣れるまではドキドキします。
衣服についてしまうと、とれません。

-時間がかかり、扱いが難しい

漆は一定の湿度・温度のもとで乾いて(固まって)いきます。
時間もかかります。一晩〜数日かけてゆっくり固まるので、待つ時間が長くかかります。
しかも漆は天然のものなので、品質が一定ではありません。化学接着剤のように「5分硬化」「30分硬化」みたいな、わかりやすい目安がないのです。

ここが難しいところ。

◆「簡易金継ぎ」は全く別ものと思ったほうがいい

そういったことから、金継ぎ(漆継ぎ)は習得に時間がかかります。

そんな金継ぎのかわりに手軽にできるものとして「簡易金継ぎ」というものがあります。
これは、漆のかわりにエポキシパテや化学接着剤など、ホームセンターで気軽に買える材料を使って行うものです。
表面のコーティングのみ漆で行ったり、それも「かぶれないうるし」と言われている「合成うるし」(成分が漆に似た化学物質)で行ったりします。
かぶれる心配なく、短い時間で完成させることができます。依頼する場合も、費用が安く、修理にかかる時間も短いです。

これを

  • 「なんちゃって金継ぎ」といって全否定するひと、
  • その手軽さから入門にはいいんじゃない?というひと、
  • 全く別のものだから、どっちもあり、というひと

さまざまです。

我が家にも、器屋のご主人に接着剤で直してもらった器があります。問題なく使えていますが、私は
「くっついているけれど、使えるけれど、何かが違う…」
と感じます。

「割れた器がもったいないから、とにかくくっつけて使えるようにしたい」
なのか、
「とても気に入っている大事な器だから、お手入れをしながら大切に使い続けたい」
なのかで、自分にはどちらが合っているのか?がわかるのではないでしょうか。

◆おすすめの書籍

著書の公式サイトを文末にリンクしてありますので、興味のあるかたはそちらもぜひぜひ。

-「おうちでできるおおらか金継ぎ」堀道広

amazon 楽天ブックス

伝統的な金継ぎを、できるだけ簡単に、お金をかけずにやる、ということをコンセプトにした本。とてもわかりやすくて個人的には一番オススメ。堀さんは漫画も書く方なので、イラストもかわいい。

-「金継ぎをたのしむ」黒田雪子

amazon 楽天ブックス

これも天然の漆を使っての直しを写真を多用して詳しく紹介した本。監修の黒田さんは元グラフィックデザイナーで、現在は金継ぎをお仕事になさっているそうです。

-「金継ぎ1年生」山中俊彦

amazon 楽天ブックス

これは最後のコーティングと加飾のみ本漆を、そこまではエポキシパテや瞬間接着剤を使うやりかたを紹介した本。こちらも手順を写真でとても丁寧に解説してあります。

-「金継ぎのすすめ」小澤典代

amazon 楽天ブックス

「金継ぎのある暮らし」を紹介したライフスタイル本。漆でなおした器の魅力が堪能できます。材料・手順の紹介は巻末に少しあるだけです。読み物としてたのしめる本です。休日のお茶の時間のおともにも。

◆材料を買うには

必要なものが少しずつ揃うセット商品からはじめるのがいいと思います。

-はじめての金継ぎBOOK


amazon 楽天ブックス

東京・荻窪のブックカフェ「6次元」店主で、金継ぎワークショップも多数なさっているナカムラクニオさんによるガイド本とミニマムな材料のセット。本漆ではなく、かぶれず、乾く時間がかからない「合成漆」を使っての継ぎができます。
自分で揃えないといけないものが多いですが、かぶれる心配もないし、「本漆でなくてもいい」「自宅でとりあえず独学でやりとげたい」というかたにはいいキットかもしれません。
amazonの商品ページにはやりたくなる写真がたくさん出てますよ〜

-ネットショップには初心者向きセットがけっこう揃います


金継初心者セット

 


藤井漆工芸 金継ぎ「美」セット

amazonをいろいろ見ていたら、関連商品の欄にも道具や材料がいっぱい出てきました。道具は簡単に揃えられますね。あとはやる気さえあれば^^;

-漆芸専門店にもセットがある

urushiya.ocnk.net

こちらは漆芸材料の専門店。質問にも丁寧に答えてくださいます。

-世界で一番かわいい金継ぎセット

www.creema.jp

これはたしかに、とってもかわいい。。。
楽天にも取り扱いがありました。

送料無料 urujyuの金継ぎセット

◆吟味して買った器を長く大切に。

縄文時代からある素材を使って器に新しい命を吹き込む金継ぎ。
安易に買い替えず、よーく考えて購入した器をなおしながら長く使う。
こんな世界があることをぜひ、知っていただきたいと思います。

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これは順番待ちの次の大作^^;こどもが小さい頃に使っていたのです。

一度なおしたものをまた落としてしまいました。

金継ぎをやっていると、こどもが落としてしまっても「大丈夫、なおしてあげるから次から気を付けようね」と穏やかに言うことができるようになりました^^;

◆関連リンク

河井菜摘さんのサイト

kawainatsumi.com

堀道広さんのサイト

michihiro.holy.jp

黒田雪子さんのサイト

www.kurodayukiko.com

「六次元」ナカムラクニオさんのサイト。金継ぎワークショップ情報多し。

rokujigen.blogspot.com

福井県にある漆芸材料のお店のネットショップ。知識がないとお買い物できません^^; が、キットもあるし、ご参考まで。質問には親切に応えてくださいます。

urushiya.ocnk.net

国産漆・漆器の販売をしている岩手のお店

www.rakuten.ne.jp

楽天ROOMに金継ぎ本とセットを集めてみました。

room.rakuten.co.jp




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