◆「セルフネグレスト」という言葉
こちらの記事。
わたしも、このツイート印象に残っていました。
育児してると個性が死にがち(オチなし心境メモ) pic.twitter.com/fE1Z3wSYVu
— とり (@torikaworks) November 23, 2018
「セルフネグレスト」という言葉があるのか…。
あまり、実感はしていませんが、思い当たる節があったり…なかったり。
◆わたしはなぜ、できなかったのか?という気持ち
我が家にはこどもがひとり。
私が育児に向いていないんだか、どうにもならないワンオペな環境のせいなんだか、なんだかわかりませんが、ここまで「たったひとりのこども」でいっぱいいっぱいな毎日を送ってきました。
ふたり、3人、4人…とお子さんがいらっしゃる方を見ては思います。
「なんでわたしはひとりなのにこんなにいっぱいいっぱいなんだろう?
なんでひとりしか持てなかったのかな
おまけになんでわたしは結婚前の仕事を続けることができなかったんだろう?
なんでうまく好きだったあの自分の仕事に戻れなかったんだろう?
こんな状態でなんていう年になってしまったんだろう」
いろいろな複合的な要素であって、私のキャパが少ないという理由だけではないということは分かっているんですけど。
でもこの気持ちは、今も消えることなく心の底の澱となっています。
◆子持ちになったら自分の10年先が見えなくなった
こどもが4歳のとき、ガラケーからiPhoneに変えました。
ドコモがiPhoneを扱い始めるのを待っていたんですよねぇ…だけどその気配がなくて、10年以上使ったドコモからソフトバンクに乗り換えて、iPhoneにしたんです。
うれしくて、いろんなアプリを入れました。
その中に「10Years」というアプリがありまして。
今後10年の計画や予定を入力しよう、というものでした。使っていないけれど、今も入ったまま。
10年先までの自分の予定を全く、入力できなかったんです。
何も思いつかなくて。
入力できたのは、こどもの年齢と就学、進学の予定のみ。
その時は「うーん思いつかないなぁ」みたいな気持ちで終わったのですが(思い悩む余裕がなかったんですね)、今その事実を振り返ると、ちょっと悲しい気持ちになります。
◆自分のこの先の10年がやっと見えてきて、思うこと
今やってみたら、入力できるんですよ。自分の10年先までの予定、こうやってああやって、できればこうなっていたいというような見通し。
自分自身のことを考えられる余力ができたということですよね。
ただ、寂しいのは、
- 自分自身がかなり年をとってしまっているということ(実年齢も、社会的にも)
- やりたいことをやるにはやっぱり「まとまったお金と時間その他が必要」だということ。「今からあまり費やせないよなぁ」という現実
そういう事実に気付かされるということでしょうか。
出産を機に自分の仕事を手放したのがいけなかったのか?
こどもと夫のサポートにまわるという選択が自分の首を絞めることになったのか?
でも、じゃあ、どういう選択をすべきだったんだろうか?
今思ってもどうしようもないことを、ぐるぐると考えてしまうんですよね。
◆自分を責めるばかりでは、なにもはじまらない
ある人に
「どんな職場・仕事と出会うかは運」
と言われて、救われたような気持ちになったこともありました。
結婚や出産を機に職を手放してしまうことは、非常に惜しいことであるかもしれない。
でも一方で「既婚者、子持ち女性を暗に受け入れない職場、今の日本では物理的に不可能な仕事」というものが存在しているのも事実。
自分に縁があった会社・仕事がどちらであるかは「運」。
自分がどんな環境で子育てをすることになるかも「運」。
よーく考えて人生の選択をしてきたつもりでも、思ったようになるかどうかはわからない。
あまり自分を責めるばかりではいけないよな、と思うようにもなりました。
◆視界が開けてきたら見えてきたもの
最近、少し視界が開けるような気持ちになってきました。
これまでは「それなりの年になり、気付けば子育て以外になにもなくなっている自分」を嘆くような気持ちばかりだったのですが、最近は、
「年をとるということは、それだけたくさんの経験をしてきたということじゃないか」
と前向きにとらえることができるようになりました。
幸い(そう、幸い)今は多くのひとが100歳まで生きるかもしれないという時代。
時間はまだまだあるじゃないか。
人生終わった、みたいな気持ちになる必要がどこにある?
そういう気持ちを持つと、未来に希望が持てるんだなと思いました。
漠然としたものでも、希望があると前向きになります。
そしてそれはやはり、「自分自身でひとりで立つ」という気持ちにならなければ得られないのかもしれないと思います。そう、「子の親である」ということではなく。
「運」という波をうまくつかまえて、軽やかに乗って、人生後半を歩みたいと思う今日このごろです。
大きめのトレイを買ったら、食事の準備と片付けが少し楽になったような。
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